富士山2006

 2006年8月3日(木)〜4日(金)、3年ぶりに富士山を目指しました。今まで下山を中心に1本ストックだったのですが、2本ストックにして登山にも使う練習と、最近高地に行っていないので、どの程度高地順応ができるか、ようするに体力試験を兼ねています。5日0時から富士スバルラインのマイカー規制が始まるので、その前に行ってしまおうということもあります。

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 (1) 1日目  (2) 2日目  

(1) 1日目

 例により、夜明け前(深夜?、2時40分ころ)に自宅を出発。富士山5合目の駐車場が混んでいるようで、少し手前で待たされます。かろうじて1台分だけ空いていた駐車場に案内されました。4時半ころになっていました。お湯を沸かしてラーメンの朝食。身支度を調え、出発したのは5時15分ころ。標高2305mだそうです。高度差1470mあまりを登ることになります。

 しばらく車道を歩き、登山道に入ったのは5時半ころ。5時55分ころ、6合目の登山指導所で下山ルートの地図をもらいます。登山道は砂礫の道と、溶岩がむき出しになったところがあり、溶岩がむき出しになったところは結構きつい傾斜です。8合目の一番下の大子館(3020m)が7時55分ころ。富士吉田口の頂上は10時30分。指導所でもらった地図では6時間のコースタイムだからまあまあ?

 しばらく休みます。この時間ならおはち巡りをしても十分に下山できるので、日帰りにしてしまおうか少し考えました。しかし、この日は少し展望が悪いし、せっかく登ったのだからご来光も見たいし、それに高地順応の様子も見たいし、結局泊まることにしました。この日は以前と違う扇屋さんにしました。ついでに扇屋さんでラーメン(800円)の昼食。宿泊料は夕食付きで6,500円(3年前より500円アップ)でした。

 休んでいると大勢の人がやってきます。外人(欧米だけでなく韓国からも、中国も?)さんも多い。自衛隊の人もたくさん。訓練登山かリクリエーションか。「自衛隊といっても自分たちは事務職なので、体力があるわけではないんです。」といっていたそうです。

 荷物を預けて、11時15分ころにおはち巡りに出発。御殿場口と富士宮口が集まるあたりにもいろいろな施設があります。でも、NTTの施設は廃業? 銀明水も水はない。銀明館も営業休止? 山頂郵便局で買おうと思っていた登頂記念ハガキは売り切れ、残念。富士吉田口頂上と同じく、ここにもバイオトイレ(200円)があります。

 剣が峰は12時15分ころ。展望台(旧測候所の施設?)もできていました。ひとしきり楽しんだあと、そのままおはち巡りを続けます。この日は天気はいいのですが、まわりの山々はすっかり雲のおおわれていて、展望はありません。金明水(こちらも水なし)も見て、戻ったのは13時20分ころでした。

 扇屋さんはまだこの時間帯は無料休憩所になっていて、中で横になることはできません。ビール(350mL600円=前回と同じ)などを飲みながらのんびりと過ごします。

 まだ続々と登山客が登ってきます。そのうちガスが湧き出し、ちらっちらっとブロッケンが見え出しました。チャンスを待ちますが、吹き上げる風が強く寒い。それでも何枚か写真を撮ることができました。

 15時くらいになるとさすがに登ってくる人も少なくなり、頂上のおみやげ屋さんも店じまいを始めます。扇屋さんも通路だったところに板を渡して布団を引き始めます。敷き布団は2人で1枚、掛け布団は1人1枚。夕食は16時半ころ、例によりカレーライス。ビールと同宿の人が持ってきたお酒(カクテル用のお酒らしい)も。そうこうしているうちに残りの通路にも板を渡して布団を引き始めました。

 19時消灯なので、まだ時間があります。ときどき見えるブロッケンや、影富士を見に外に出たりもしますが、寒いので小屋の中と外を行ったり来たり。ちなみに扇屋さんにはトイレはなく、外の有料バイオトイレを使うことになりますが、17時〜3時までは無料で利用できます。

 19時消灯、寒さを覚悟していたのですが、思いの外暖かく過ごすことができました。

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登山道にはたくさんの山小屋が並んでいる。 下山道は山小屋へ荷揚げするブルドーザーの道にもなっています。 頂上が見えてきました。でも、ここからが胸突き八丁。 巨大な火口。正面に、日本最高点剣が峰を見ています。 富士山頂郵便局。もちろん夏季だけの季節営業。
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かつて測候所があった剣が峰と、滑りやすい馬の背。 剣が峰から火口の底を見ます。 二等三角点とその説明板。 ここが泊まった扇屋さんです。以前泊まった山口屋さんよりはかなり小さい。 ブロッケン(ご来迎)です。

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(2) 2日目

 3時半に電気がつき、起床です。3時前にトイレに行っておくつもりが寝ていてしまった。もう登山者がたくさん登ってきています。

 私も身支度を調えて(前回の寒さに懲りてダウンジャケットも持ってきた、しかしこの日は風がなくそれほど寒くなかった)、前回と同じ小屋横の大日岳で待機することにしました。ここはご来光も見えるし、剣が峰のモルゲンロートもみえますから。この日の天気は素晴らしく、ご来光もモルゲンロートも楽しめました。

 いったん小屋に戻り、防寒具をザックにしまい、そのザックを小屋に預けて、再びおはち巡りに出発。6時ころ、剣が峰の展望台に立ちます。少し空気の透明度は低いですが、南アルプスが全部見えます。遠くうっすらと北アルプスも。八ヶ岳も頭を雲の上に出しています。影富士も見事です。大沢崩れに影をのばしていました。

 しばらく展望を楽しんだあと、再びおはち巡り。昨日はパスした小さな火口(アミダカ窪)に降りてみました。小さな雪渓が残っています。頂上の山小屋の水源なのでしょうか、雪渓をブルドーザーで切り取った跡があります。

 再び金明水を見てから、吉田口頂上に戻ります。三つ峠から奥多摩、さらには越後方面の山も見えます。ザックを受け取り、最後に火口を眺めて、7時20分くらいから下山を開始します。あとはひたすら砂礫の道を下るのみ。須走口との分岐であるはずの江戸屋が二軒ありとまどいますが、分岐は下の方の江戸屋です。下山道には過去の落石事故のため、いくつかのシェルターがあります。

 登山道入り口に戻ったのは9時15分、スバルライン終点の駐車場は9時30分ころでした。

 帰りの中央道も順調で(11時に八王子ICを過ぎるころから下り車線は大渋滞だった)、昼前には帰宅できました。

 3年前よりも登山、下山の時間をほんの少し短縮できたのは、2本ストックのお陰だと思います。登りにも有用だし、下りの滑りやすい砂礫の道も楽でした。例により、脳が必要としている酸素が少なくていいので高山病にはかかりませんでした。とはいっても足の筋肉の脱力感があるのは、やはり高山のためでしょう。実際に、明らかに高山病の症状を呈している人もかなりいました。

 富士山のトイレはますます綺麗になっていました。ただ、山小屋とその食事は以前通り。これは仕方ないかなぁ。富士山は若い人、小さな子供を連れた家族連れ、それに旅行会社のツアーの方(高年と若い人の二分極? 8合目くらいの山小屋に泊まり、夜明け前から歩き出しご来光を拝んでそのままま下山するようです)も大勢いるので、ふだん行っているジジババ(私もその一員ですが)ばかりの山とは違う、華やいだ感じがします。

 前回で最後と思っていた富士山に思わず登ってしまいました。これがほんとうに最後? 

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まだ日が昇る前、剣が峰が赤く染まってきました。4時半ころ。 太陽が昇ってきました。4時46分です。下に山中湖が見えます。 宝永火口。その下にも側火山が見える。 南アルプス北岳と間の岳。 甲斐駒の後ろにうっすらと北アルプスの槍−穂高。
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八ヶ岳。 再び南アルプス、塩見岳。 荒川岳−赤石岳の南アルプス主峰群。 小さな火口(アミダカ窪)の雪渓にて。 砂埃を上げながら下山します。

2006年8月記

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