鏡平から笠ヶ岳

2016年7月25日〜7月27日。鏡平から笠ヶ岳に行ってきました。
天気がよければこのコースは槍ヶ岳〜穂高岳の大展望が楽しめるコースです。
あいにく今回は荒天で展望はありませんでした。そのかわりにライチョウが登場しました。

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(1) 1日目(7月25日):新穂高から鏡平山荘まで

 ここ数年の恒例、かつての山仲間の総勢3名のパーティでの山行です。なぜ過去のパーティは天候に恵まれません。今回も荒天でした。

 朝6時、最寄り駅に集合。早速新穂高を目指して出発します。ところが、高速に乗ったところでカメラを忘れたことに気がつきました。重いレンズはザックに入れたのに。仕方ないので、急遽次のICで降りて自宅に戻ります。幸い上り車線の渋滞はそれほど酷くなっていませんでした。結局予定より1時間近く遅れて再出発。少しの違いで上り車線はすごい渋滞になっていました。下りの高速は順調です。諏訪SAで1回休み、松本ICで降ります。あとは一般道で新穂高まで。安房トンネル(有料)ができたおかげで、新穂高側にも楽に行けるようになりました。

 新穂高に着いたのは10時半過ぎ。登山届けを出し,登山者用の無料駐車場に車を入れます。ここで昼食をとり、11時15分ころ駐車場を出発します。いまにも雨が降り出しそうです。双六岳などへの登山路は、案内所(登山届けを出すところ)からいったん左俣谷を渡り右岸沿いに行くようになっています。再び橋を渡って左岸に戻ったところに、左岸沿いにロープウェイ乗り場に行ける道もありました。

 林道はずっと続き、また左俣谷を渡って右岸沿いに進みます。笠新道の登り口(水場)まで来ると、わさび平小屋はあと10分くらい。小屋のベンチで少し休みます。さらに林道を少し進むと登山道(小池新道)になります。登山道はそう厳しくものではありません。もちろん所々に急登はあります。15時40分ころ、ようやくシシウドヶ原につきました。ベンチもあるので一休み。

 歩き出すと雨も降り始めました。レインウェアを着ます。しかし、予想以上にGORETEXが劣化していました。下山したら買い換えなければ。鏡池までたどり着きましたが、ガスで展望がまったくありません。晴れれば眼前に迫る槍穂高が水面に映って大変にいいところなのですが。

 鏡平山荘には16時45分ころに到着しました。乾燥室があったのがありがたい。翌朝までには濡れたものはほとんど乾いていました。部屋はかなり大きな部屋、そこに我々を含めて8名なのでかなりゆったりと使えました。夕食は第2グループ18時からでした。

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登山者用駐車場から新穂高ロープウェイへの近道。 林道入り口のゲート。 傾いている橋を渡って右岸に出ます。 笠新道の登り口。水場になっています。 わさび平小屋。
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小池新道入り口。 岩がごろごろしている登山道。 秩父沢にかかる仮設の橋。 秩父沢を見上げます。 左俣谷を見下ろします。
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出発準備をする同行者。 ここまで来ればあと少し。 鏡池です。何も見えません。 同じく鏡池です。 夕食です。

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(2) 2日目(7月26日):鏡平から笠ヶ岳

 5時半ころに朝食。朝食後、少しのんびりして7時半ころに出発します。朝から天気が悪い。でも、乾いた衣服で出発できます。いちおう鏡池に戻って様子を見ますが、当然何も見えません。山荘に戻り、登山開始。山荘の周辺には地塘がたくさん点在しているようです。弓折への道も全体としてはそれほどきつくはないのですが、昨日と同じように所々に急登があります。弓折中段で一休み。登りはまだ続きます。

 出発して約1時間、ようやく稜線(双六岳、笠ヶ岳の分岐)に出ます。稜線に出ても結構アップダウンが多くてあまり楽になりません。雨は霧雨〜本降りを繰り返します。幸いなことに風は弱いので助かりました。雨の中、高山植物に慰められながら歩きます。大ノマ岳に近づくころ、降りてくる人がライチョウがいると教えてくれました。また、すれ違った人は1人だけだという情報も。ライチョウは雄が1羽、たぶん雌が4羽いました。少しライチョウの写真を撮るために停滞します。雄の鳴き声を入れた動画も撮れました。

 ライチョウが去り、再び雨の中を歩き出します。レインウェアの下は短パン、半袖のTシャツ、すでにずぶ濡れです。ようやく平坦な秩父平付近で休憩。再び出発して少ししたら、一瞬展望が開けました。晴れるかと甘い期待をしてしまいます。でも、天気は再び元通り。

 抜戸岳の登山はやめて通過、笠新道への分岐にたどり着いたのは12時50分でした。なかなか昼食をとるチャンスがありません。もう笠ヶ岳山荘まで行くことにしました。ここで大トラブル、メインに使っていたカメラが突然動かなくなりました。防塵防滴のはず、さらにレインカバーもつけていたの安心していました。せっかく取りに戻ったカメラなのに。仕方ないのでサブに持ってきた防水仕様のコンパクトデジカメに切り替えました。

 笠新道への分岐を過ぎても悪戦苦闘。笠ヶ岳山荘に着いたのは14時40分。ここは予約しておいたし、この日の客も少なかったので個室になりました。また、この小屋にも発電機の廃熱を利用した乾燥室がありました。全身ずぶ濡れになっていたので、まず乾燥した衣類に着替えます。そして遅めの昼食です。 

左の写真をクリックすると、ライチョウ(雷鳥)の雄の鳴き声(4K動画)が再生されます。最初の方のグェ〜ッエという声です。youtubeにリンクしています。

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鏡平山荘の朝食です。 鏡平山荘。 鏡池はこの通り。 山荘前を通過します。 弓折岳への道半ば。
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鉄梯子もあります。 ようやく稜線に出ました。 ハクサンフウロ。 ミヤマダイコンソウ。 コバイケイソウ。
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チドリの仲間。 ダイモンジソウ。 ウサギギク。 トリカブトの仲間。 チングルマ、めしべ(花柱)が伸びています。
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イワオウギ。 ハクサンイチゲ。 アオノツガザクラ。 煙る登山路。 登山路にライチョウがいます。
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ライチョウ(1)。冬毛が残っています。 ライチョウ(2) ライチョウ(3)。雌がこちらを見ています。左奥に雄がいます。 ライチョウ(4)。ハクサンイチゲと雌のライチョウ。 ライチョウ(5)。左の雄が1羽。他に3羽写っています。
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岩場を通過します。 一瞬展望が開けました。 シャクナゲの仲間。 秩父平で一服。 秩父平。
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ヨツバシオガマ。 稜線の道。 抜戸岳の登り口。 笠新道の分岐。 抜戸岩。
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笠ヶ岳山荘。 笠ヶ岳山荘の夕食 カメラ用レインカバー(1)。 カメラ用レインカバー(2)。 カメラ用ラインカバー(3)。

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(3) 3日目(7月27日)

  この日は笠新道を降ります。天気は相変わらずです。雨とガス。降りる前に笠ヶ岳を登っておきたいので、少し天気の様子を見ますが改善されません。仕方ないので雨の中、6時50分ころに笠ヶ岳の頂上を目指すことにします。空身で登れるので少しは気楽です。7時15分、頂上(2897.5m)に到着しました。でも、相変わらずの天気で何も見えます。記念写真だけ撮って降りることにしました。7時25分ころ小屋に戻り、身支度を調えます。

 7時45分、いよいよ小屋を出発します。途中2人ずれのパーティの片割れを待つ人に、すれ違わなかったかと聞かれましたが、誰ともすれ違っていませんでした。笠新道への分岐に着いたのは9時ころ。この直前にパーティの片割れとすれ違いました。分岐までいったのに、もう一人がいないので空身で引き返すところでした。置いて行かれたと思って、急いで分岐まで来たようです。ここからだとかなり引き返さなくてはなりません。

 分岐は風が強いので、稜線を越えたところで休憩することにしました。稜線を越えると風もなくなります。ここで休憩。ここからが急降下です。日影が少ないので晴天の日は大変です。この日は日差しがない代わりに岩が濡れて滑りやすくなっているという問題があります。我慢して急降下。少し平らになったところ、杓子平の少し手前で大休止。早めの昼食とします。このあたりからこの急斜面を登ってくる人とすれ違うようになります。一番最初に出会った人は、まるで平地を歩くように登っていきました。

 杓子平を過ぎるとまた急降下になります。岩が滑って危ない。ゆっくりと下ります。ようやく林道に出たのは15時45分。笠ヶ岳山荘から笠新道の降下のコースタイムは5時間ですから、プラス3時間もかかってしまいました。下りは大変です。

 林道歩きも長い。このあたりの岩の隙間にヒカリゴケがあるときいたことがあるので探しながら歩きましたが、見つかりませんでした。新穂高の案内所に着いたのは17時過ぎ。下山届を出し、旅館に電話を入れます。新穂高に着いたとたんに猛烈な雨になってしまいました。同行者に傘を借りて、駐車場まで車をとりに行きました。

 この日の宿泊は平湯温泉の「たなか」という小規模な旅館です。平湯についてから、旅館までの道がわからないので、スマホを使ってgoogleで道案内をしてもらいました。旅館には17時45分ころに着きました。スキー場もある温泉の旅館なので乾燥室もあり、幸いなことに稼働していました。大助かりです。まず温泉(源泉は98℃)で汗を流します。そして夕食です。次の日について、もし晴れたら新穂高ロープウェイを使って西穂高山荘まで行こうかなどと話していました。夕食後、衣類などを乾燥室に入れたらほっとして、すぐに寝てしまいました。

 28日、朝から雨。しばらく様子を見ても晴れません。仕方ないので、ロープウェイはあきらめて高山観光をすることにしました。平湯から高山は近い。朝市近くの駐車場(1000円)に車を入れて、「朝市」と「古い町並み」を散策したり、お土産を買ったりしました。何も知識なく来たのですが、車を入れた駐車場の隣のラーメン屋さん(麺屋しらかわ)に行列ができています。お昼はここで少し並んで入りました。ラーメン(700円)だけのメニュー(大盛りと卵だけがオプション)というシンプルさ。確かに美味しいお店でした。

 ラーメンを食べ終えた昼過ぎに東京を目指して出発。帰りも順調、中央道原PAと上野原PAで休んで、解散は17時過ぎになりました。

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笠ヶ岳山荘の朝食。 食堂ではストーブが焚かれています。外は雨交じりのガスです。 笠ヶ岳山荘の入り口。 笠ヶ岳は双耳峰です。こちらは祠のある山頂。本当の山頂はあちら。 笠ヶ岳頂上(2897.5m)で記念写真。
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濃いガスで、山荘がなかなか見えてきません。 晴れていれば活躍するだろう望遠鏡。 ここから山荘までまだ結構あります。 天幕場近く。山荘はすぐそこでもないです。 さよなら。
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抜戸岩。 抜戸岩を通過します。 チシマギキョウ? 笠新道への分岐です。 ゴゼンタチバナ。
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ヨツバシオガマ。 ハクサンイチゲとコイワカガミ。 ガスの中、急斜面を慎重に下ります。 一瞬展望が開けかけました。 杓子平付近で一端傾斜が緩くなります。
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またガスってきました。 10時50分ころ、杓子平を通過します。 ハハコヨモギ。 シモツケソウ(つぼみ)。 クルマユリ、
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標高2200m地点。晴れると展望がいいそうです。 急降下が続きます。 タニウツギ。 オオバギボシとシモツケソウ。 左俣谷が見えてきました。
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ヒメサユリ。 ウツギ。 標高1920m地点。杓子平までの中間地点。13時40分です。 登山路を補強している鉄板。 ようやく林道に出ました。ここは水場でもあります。
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橋が傾いているという恐ろしい看板です。 新穂高へは、左俣谷左岸沿いの近道をとります。 雨に煙る新穂高の案内所。 旅館の内湯。露天風呂や家族風呂(檜の展望風呂)もあります。 夕食です。

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(4) 番外(28日)

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檜風呂。 朝食です。 高山の朝市(1)。 朝市(2) 古い町並み(1)。
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古い町並み(2) 造り酒屋「山車」の杉玉。 造り酒屋「深山菊」の杉玉。 行列のできるラーメン屋さん「麺屋しらかわ」。 「しらかわ」のラーメン。たまたま車を入れた駐車場の隣でした。

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(5) 行程

上の画像をクリックするとgoogle mapで、下の画像をクリックするとgoogle earthで行程をご覧いただけます。
google earthの行程の上で右クリックすると出てくるメニュー「高度プロフィル」を選択すると、それぞれの日の行程(色違い)の高度断面が表示されます。

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2016年8月記