超巨大噴火と生命進化 佐野貴司 講談社ブルーバックス ISBN9798-4-06-541168-1 1,100円+税 2025年9月
生命は順調に発展・拡大してきたのではなく、何回かの大絶滅の危機を乗り越えてきた。そしてその大絶滅が、大進化をもたらした(ピンチはチャンス)ことは間違いないだろう。この本の筆者は大絶滅の原因を、断続的に起こるスーパープルームがもたらす超大噴火、それは単一の破局噴火(カルデラ噴火,火砕流噴火)どころではない規模のものに求めている。そして、あの白亜紀末、恐竜などが絶滅したP-Tgさえも、隕石衝突ばかりかデカン高原を形成した超巨大噴火も大絶滅原因の一つとしている。
地質時代を遡るほど証拠は希薄になっていくので、代背爪の原因をこれだと断定するのはきわめて難しい。さらにその大絶滅のメカニズムも。現段階では、こうした考えもあるということだと思う。
現在、火山の大爆発があるとすぐに気温の低下と結びつけられる。だが、この本では逆の可能性、火山ガスに含まれる二酸化炭素が大量に放出されれば気温上昇・地球温暖化を招く可能性もいっている。宮沢賢治「グスコーブドリ」の慧眼。
筆者は最後に、,生命大量絶滅を招くような超巨大噴火は、地球は長い地質時代を俯瞰すれば冷えてきているので、今後は起きない可能性が高いということも述べている。確かに走かもしれないが、脆弱になった人類社会を破局に導く、あるいは日本を破局に導く程度の巨大噴火は今後も起こると思う。鬼界カルデラ噴火(幸屋火砕流噴火)から7000年、意外と近い勝利に起こるかもしれない。
目次
はじめに
プロローグ
第1章 超巨大噴火と生命の進化
第2章 オルドビス紀末:2番目に大きな大量絶滅
第3章 デボン紀末:海域のみでの大領絶滅
第4章 ペルム紀末:史上最大の大量絶滅
第5章 大陸分裂に伴う大量絶滅
第6章 白亜紀末:恐竜の絶滅
第7章 新生代の超巨大噴火による地球温暖化
第8章 人類に影響を与えた巨大噴火
エピローグ 未来の超巨大噴火
おわりに
引用・参考文献
さくいん
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2025年12月