動物たちの「増え過ぎ」と絶滅を科学する 斉藤隆 ミネルヴァ書房 ISBN978-4-623-09936-8 2,000円+税 2025年10月

 やはり一番難しいのは、野性動物の実数をどうやって推定するのか、それには誤差がどのくらい含まれているか、だと思う。これがわからないと“増減”の根拠とされる事柄も意味がなくなる。

 オダムの「基礎生態学」(1953年)にも載っている(いまでも高校生物の教科書に載っている?)の、カナダ・アラスカのウサギ(カンジキウサギ)とオオヤマネコ(カナダオオヤマネコ)の増減の関係。そもそも推定数の根拠が、当地の毛皮取引を独占していた会社の取引数だという。毛皮の取引数は生息数を反映しているかもしれないが、正確ではないことは明か。この図はいろいろなバージョンがあるそうだが、味方によってはヤマネコの増加の方が早いこともあるという。因果関係が逆になってしまう。さすがにオダムは慎重で、他の要因にも言及しているという。

 本の中では、野性動物の保護、逆に導入した生物の人為絶滅などにも言及している。でも。本の帯にある「クマ」については何も書かれていない。この本を読んで、後は自分で考えよ、ということらしい。

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2025年12月

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