飛脚は何を運んだのか 巻島隆 ちくま新書 ISBN978-4-480-07668-7 1.300円+税(1,430円) 2025年2月
文庫本だが411ページ(本文は351ページまで、以後索引、さらに巻末資料が363ページ〜411ページ)という大部の本。ページ数とその内訳から分かるように、入門書というより専門書に近い。
たくさんのお店(飛脚屋)の諸事情や細かいできごと、運送の仕方と運賃、利用者としての滝沢馬琴の話しと、さらに飛脚が出てくる(関係する)芝居や本など盛りだくさん。
何を運んだにはあまり焦点が当たっていないが、それでも手紙、お金(現金も為替)、物(あまり重い物は運べない)、運搬方法・料金なども。ただこれらを知りたくて読んだのだが、細かい話しに埋もれてしまっている。それでも、運んだのは上に書いたようなものばかりではなく、「情報」(江戸で起こった火事とか事件とか)を運んだ(伝える)という意味もあったとか、運賃は高いがべらぼうなものではなかったというようなことは分かった。またこれらが、官製郵便事業につながるのではなく、宅配業につながるということも分かった。
目次は裏表紙帯を参照。
![]() |
2025年6月記