恐竜の生態と行動 マイケル・J・ベイトン著 ボブ・ニコルスイラスト 久保田充博/田中康平監訳 喜多直子訳 創元社 ISBN978-4-422-43064-5 4,200円 2025年4月

 恐竜学の現在は、たんに発掘→形態の復元・新種の発見にとどまらず、この本のように生態とか行動の研究の段階に入っている。骨格化石のCTによる解析、有限要素法による咀嚼力などの研究、さらには色(構造色だけではなく)までも。

 1970年代に科学的な議論が始まった恐竜温血(恒温)説、さらには1990年代には羽毛を持つ恐竜の発見、いまではこうしたことはもう前提として議論されている。

 まだよくわからないのが子育て。一部では子育て恐竜の存在は確認されているけど、どの程度だったのかとか。それにつけても、あの巨大な恐竜が実在したとは。

 この本はそうしたことを盛り込んだ最新説(異説があるときは訳者が補足)を紹介している。本自体は良質紙を使ったカラー印刷なので、見ているだけで楽しい。ただ、その分価格が高い。これは仕方ないか。

目次
はじめに
第1章 恐竜の全体像
第2章 生理学
第3章 移動運動
第4章 感覚と知能
第5章 摂食行動
第6章 社会的行動
第7章 恐竜と人類
参考文献
索引
謝辞

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2025年6月記

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