大人のための地学の教室 鎌田浩毅 ダイヤモンド社 ISBN978-4-478-12102-3 1,800円+税 2025年2月
正直なところ、あまり読む気はなかったが立場上読んだ。でも読んで見たら、最近の著者の本と比べてかなり良いと思った。その一つは、筆者個人の学生時代の体験(※)、さらに研究職(当時の地質調査所での仕事など)になってからの研究生活が書かれていること、もう一つは講演会での質問を書いた形になっているところでわからないことは、きちんとわからないとしていること。何がまだわかっていないのかを明示することは大切だと思う。同じ著者の最近の「知っておきたい地球科学」(岩浪新書)、「みんなの高校地学」(共著、講談社ブルーバックス)よりもこちらの本の方がいいと思う。
※ 1970代、東大理学部地学は当時の地質学の重鎮木村俊雄構造地質学教授が反プレートテクトニクスの講義(中村君は間違ってているから始まる、世界の地質の講義)、一方東大地震研中村一明(万年)助教授がプレートテクトニクスの講義(木村先生のモデルはもう古い、地球物理や地球化学の知識も動員して)という具合だったという。これは確かに面白そう。p.126〜127。
目次は裏表紙帯。
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2025年6月記