生命の根源を問う 関根康人 講談社ブルーバックス ISBN978-4-06-506431-7 1,100円+税 2025年7月

 生命の起源を探る本としては一番まとまっていると思う。また、安易にパンスペルミア説に走るのでなく(それは結局、どこでどうやって生命の元から生命ができたのかを先延ばししているだけ)、地球上での生命発生を追っているところもいいと思う。

 ミラーの実験として有名なアミノ酸人工合成、そのとき想定されているメタン・アンモニアを主成分とする還元的な原始地球の大気。ただ、最近ではジャイアントインパクトの時点で、マントルと核の分離はほとんど終わっていて、マグマ発生の場所ではFeはほとんどなかったという説が強かったと思う。そうするとマグマに含まれる火山ガス(二次大気)はに水蒸気、二酸化炭素などの酸化的な大気となるはず。でもこの本では、ジャイアントインパクトも衝突の仕方によっては核(Fe)も再び混ざる可能性があり、そこで発生する火山ガスは還元的になれる。還元的な大気の方がアミノ酸を作りやすい。

 「大陸の誕生」(田村芳彦、講談社ブルーバックス、2024年4月)は少し岩石学の眼から見ているという点が強すぎるが、こちらは、惑星−地球−生命のシステム全体を見ているので、かなり客観的であるとも思う。

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2025年11月記

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