はじめに  

 2001年4月に麻布文庫の1冊として、「君たちの地球はどうなっているのか そしてどうなっていくのか −かけがえのない地球-」という本を出版した。これを、麻布文庫編集部の快諾を得て、Webでも公開することにした。Webでの公開に快諾してくださった麻布文庫編集部に感謝したい。

 Webのほうが、日常的なメンテナンスなどを行いやすい。しかし実際に作業を始めてみると、ワープロ原稿のhtml化は大変な作業であることがわかった。もちろんワープロにはhtml化の機能はあるのだが、その出力はそのまま使うことができるようなものではない。本の内容のすべてのhtml化にはかなりの時間がかかりそうである。そこで、部分的に公開を始めることとした。

 この1年半で、図・表のリンク先もかなり変更されている。とくに多くの引用をした資源エネルギー庁のWeb-siteが一新された。ここに限らず、リンク先がなくなっている図・表も多い。これらはできるだけ同じようなものを探したい。

 なお、この本の冊子版の問い合わせ・販売窓口

麻布学園事務室(phone:03-3446-6541  fax:03-3444-2337)
または麻布文庫編集委員 

である。

 また麻布文庫については、麻布学園ホームページ麻布文庫の項をご参照ください。

2002年7月11日記


高校理科の前指導要領(1978年公示)では「理科T」という科目が必修であった。その中の「人間と自然」は理科Tの一つの目玉であった。1972年に国連人間環境会議が開催され、環境問題が全人類に共通する課題になっていることが明らかになったことに、遅ればせながらも対応したものだったと思う。だが現指導要領(1989年公示)では、高校理科の必修科目の取り方によっては、こうした問題に触れない可能性が出てきた。麻布で採択している高校理科の科目でも本当は扱っていない。また、1999年に公示された新指導要領でも、環境問題の扱いは同じで、一部の科目でしか扱われていない。 

※ 中学校の現指導要領には「地球と人間」、新指導要領には「人間と自然」の章がある。    

 だが今日、環境問題の解決の方向性が見えてきているとはとてもいえない。逆にますます混迷の度を深めているといったほうが正解だろう。環境問題は、今日を生き・考える上で欠かせない内容である。そこで麻布の地学は、理科について全員が同じものを履修する最後の学年である高校一年(高校二年からは選択制)、その三学期にあえて環境問題を入れている。この本は、その授業ノートをもとにしたものである(<6 地球の環境>は「図書館だより41号」(1998年5月30日)に寄せた原稿をもとにした)。授業では、環境問題をたんなる公害問題・環境汚染問題と狭くとらえずに、もう少し幅広く、資源や地球環境そのものについても考えようとしている。

  ここで使用している図やデータ等の資料は、その多くがインターネット上で公開されているものである。生徒みずからがオリジナル資料を当たろうと思ったときに、また関連するデータを探すときに、さらにデータそのものが更新されたとしても、そこか、その付近のサイトを探せば、目的のデータが簡単に手に入ると思う。本校の中学三年生では、自宅にコンピュータがある家庭は約85%、その70%がインターネットに接続可能であるという(2000年2月のPTAによるアンケート結果)。今後、この割合はどんどん増えるであろう。

 ただし、インターネットの世界は移り変わりが激しい。サイトそのものがなくなっていることもよくある。データの信頼度の問題もある。そこで、引用データはできるだけ官公庁や公的な研究機関のものにした。 ただし、残念ながらまだインターネット上の図・表は、印刷すると見にくいものもが多い。また、もちろんカラーでは印刷できない。こうした点からも、できれば引用した元サイトのオリジナルの図・表を直接参照してもらいたい。

2001年1月30日記

 

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