第二部−2− 地球の科学

第7章 火山(1)

目次
1. 火山活動
2. 火山の分類
a. 単成火山と複成火山
b. 火山の形
3. 噴火の形式
a. ハワイ式
b. ストロンボリ式、ブルカノ式、プリニー式
c. ウルトラブルカノ式、マグマ水蒸気爆発(水蒸気マグマ爆発)
d. 火砕流噴火
4. 火山噴出物
a. 火山ガス
b. 溶岩
c. 火山砕屑物
c−1 大きさによる分類
c−2 特有な外形(構造)による分類
5. 噴火のエネルギー
用語と補足説明
この章の参考になるサイト

1. 火山活動

 狭い意味では噴火活動のことであるが、より広い意味ではマグマ(地下で融けた状態にある岩石)の活動一般のことを指す。噴火を起こさなくても、マグマが地下で移動したりするだけで地震を起こすこともある。あるいは地殻変動を起こすこともある。下に火山活動に伴う地震(左)、地殻変動(右)のデータを示す。またマグマが上昇すれば当然地温の上昇もあるだろう。また、地磁気の変動を伴うこともある。

 現在活動中、あるいは活動の可能性のある火山を活火山という。

三宅島2000年6月〜7月の地震活動(東大地震研地殻変動観測センター)
http://eoc.eri.u-tokyo.ac.jp/coco/miyake.html
2000年三宅島付近、マグマが貫入したと考えた地殻変動の計算値と実測値:地震学会Web版広報誌「なゐふる」第22号(2000年11月)
http://wwwsoc.nii.ac.jp/ssj/publications/NAIFURU/vol22/v22p4.html

  各火山の下にマグマだまりがあることは確実であるが、その位置、形についてはあまりよくわかっていない。ともかくマントルから上昇したマグマは、いったん地下数kmから地下十数kmくらいの深さでたまってマグマだまりをつくる。ただ、そのマグマだまりの形・大きさについてはよくわかっていない。こうした地下の様子は、地震波の伝わり方から調べるのだが、マグマはまわりの岩石より地震波速度の小さい、またS波を通さない液体だからである。なぜこのような場合は地下構造を調べにくいのかはこちらを参照。地震波の伝わり方や、侵食されて深い部分が露出した火山の様子から、火山の断面は下のように考えられている。

 噴火は、下図のように、マグマだまりの中で溶けていた火山ガスが発泡して、ガスの圧力が高まって起きたり(発泡したマグマは全体として密度が小さくなるので上昇しやすくなる)、まわりからマグマだまりに圧力がかかって絞り出されたり、マグマが下からどんどん供給されたりすることによって起こる。そしてついには火道を突き抜けて地表に噴出する。

 発泡したマグマの噴出は、炭酸飲料の容器を勢いよく振って栓を開けたときに、中身が噴き出してくるのと同じである。その勢いで、火山弾・火山岩塊を放出したり、噴煙(火山ガスと火山灰や噴火の勢いで粉砕された火口周辺の岩石などが混じったもの、さらにはまわりの空気も取り込んでいる)を立ち上げる。噴煙は、温度が高くまわりの空気より密度高いうちは浮力もあり上昇する。上昇の勢いがなくなる支えきれなくなった火山れき、さらには火山灰が落下してくる。上空まで噴き上げられた火山灰は風下の方に流されていく。

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2. 火山の分類

a. 単成火山と複成火山

 1回の噴火で形成された火山を単成火山という。山口県萩市の北から東北東にかけて、阿武単成火山群というものがある。

 一方、同じ火口からの何回もの噴火で形成された火山を複成火山という。富士山など大型の火山は、このようにしてできた。

 当然、単成火山は規模が小さい。高さ500m以内、体積0.1km3以内のものが多い。多くは火口とそのまわりの円錐形の小丘という構造をしている。スコリア丘(阿蘇の米塚など)、軽石丘、マール(秋田男鹿半島の一の目潟など)などという火山体をつくる。この順に爆発力が大きく、マールはマグマ水蒸気爆発のような激しい爆発でできる地形で、ほとんど火口のみという形になる。凹地に水がたまっている場合をマール、そうでないときはタフリングということもある。


米塚(こめづか、よかとこBY)
http://www.yado.co.jp/kankou/kumamoto/aso/komezuka/komezuka.htm

 複成火山では体積は101〜2km3、あるいはそれ以上になる。キリマンジャロの体積は103km3、ハワイ島は海底から測れば104km3にもなる。

b. 火山の形

 ハワイの火山のように粘りけの小さい溶岩(溶岩とは地表に噴き出たマグマ、地下では溶け込んでいた火山ガスが抜けている)だと、薄く広く広がった溶岩が積み重なって、西洋の騎士が持っていた盾を伏せたような形の火山になる。ハワイ島のマウナロア、マウナケアなどは標高4000mを越えているが、山体の傾斜は5°にもならないので車で頂上まで行くことができる。

 溶岩の粘りけが強いと練り歯磨きを押し出したような感じでほとんど流れず、溶岩円頂丘(溶岩ドーム)をつくる。箱根火山の二子山、駒ヶ岳、神山、あるいは北海道の有珠岳(とくに昭和新山)などである。

 溶岩の粘りけが中間の複成火山では、溶岩や火山灰などが中央の火口を中心に何層にも積み重なって成層火山をつくる。富士山がその代表である。

 もちろん中間的な形もある。伊豆大島や三宅島はハワイと同じように玄武岩質の溶岩を流すが、ハワイの火山ほどなだらかではない。形は典型的な盾状火山と成層火山の中間というところであろう。

 

ハワイのキラウエア火山の火口、非常になだらかな地形であることがわかる。(2001年12月撮影) ハワイのマウナロア(4169m、2001年12月撮影)。
雪をかぶったハワイのマウナケア(4205m、2001年12月撮影)。
頂上の巨大望遠鏡群が見える。
典型的な成層火山である富士山(3776m、三つ峠から、2003年11月撮影)
溶岩円頂丘(溶岩ドーム)の昭和新山(2011年10月撮影)。

 また、地下から大量のマグマが一度に噴き出ると、そこが陥没してカルデラという地形をつくる。日本には阿蘇山のカルデラみたいな巨大なものがいくつかある。また、2000年の三宅島の噴火では、中央火口が陥没してカルデラが形成される現場が目撃された。


浅間山のカルデラと外輪山(2011年10月撮影)。

 なお、かつて使われていたコニーデ等の火山の形の名称は今は使われていない。

左の画像をクリックすると、富士山、桜島、浅間山、阿蘇山、伊豆大島(三原山)、昭和新山、キリマンジャロ、アバチャ山(カムチャツカ)、エルタ・アレ(エチオピア)の動画・静止画をご覧になります。

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3. 噴火の形式

 噴火の形式には、典型的なタイプの噴火をする火山の名前が付いていることが多い。しかし、同じ火山でもいろいろなタイプの噴火をすることもある。また、火山の形と同じように、中間的な噴火もある。

a.ハワイ式

 マグマの粘りけが小さいときは、ハワイの火山のように非常に流れやすい溶岩を、中央の火口や、山腹の割れ目から流し、盾状火山を作る。中央火口では溶岩湖が存在することがある。ハワイ島のキラウエアやマウナロアなどがその代表である。アイスランドでは非常に長い割れ目からいっせいに大量の溶岩を流し、溶岩台地をつくることもある。こうしたタイプの噴火をアイスランド式という場合もある。

 歴史上は、インドのデカン高原(デカン溶岩台地、溶岩の体積70000km3以上)や北米コロンビア川台地(溶岩の体積1000km3)をつくった噴火のように、溶岩が洪水のように大量に噴き出てくるタイプのものもある。1783年のアイスランドのラガギガルの噴火はこれに近いタイプで、12km3の溶岩を流した。これは桜島と大隅半島の間の海峡を埋めるほど大量の溶岩を流した1914年の桜島の噴火の際の溶岩の10倍の量である。

 ハワイの火山は、ふつうはあまり大規模な爆発は起こさないので、溶岩流の近くまでいって観察することもできる。しかし、火口が浅海底に開いた場合は、マグマの熱で一度の大量の水蒸気が発生して爆発する、マグマ水蒸気爆発(水蒸気マグマ爆発)を起こすこともある。

エチオピアのエルタ・アレ火山の溶岩湖。 エチオピアのエルタ・アレ火山の溶岩湖の動画(上の画像をクリックすると動画が再生されます)。
2011年12月撮影

b.ストロンボリ式、ブルカノ式、プルニー式

 比較的粘りけの小さなマグマによる数十秒から数十分という間隔で噴火を起こすのが、ストロンボリ式である。名の由来になったイタリアのストロンボリ火山が代表である。マグマのしぶきや赤熱した火山弾を噴き上げる。ハワイ式の噴火では、噴き上げられたマグマは落下してもまだ液体で流れ出すことが多いが、ストロンボリ式では地表に落下したときには牛糞状、紡錘状(空中で回転して固まった)となる。ブルカノ式では落下するときにはほぼ固体である。ストロンボリ式火山噴火のマグマよりちょっと粘りけが小さいとハワイ式噴火になり、ちょっと粘りけが大きいとブルカノ式になる。

 もう少し溶岩の粘りけが強いと、噴火はより爆発的になり、火口から大量の火山灰、火山礫(れき)、火山岩塊を放出し、噴煙を高く上げる。1m大の大きさのものを火口から数kmの範囲まで吹き飛ばすこともある。日本の火山は安山岩質のマグマからなるものが多く、こうしたタイプの噴火をすることが多い。桜島や浅間山の噴火のタイプである。名前の由来はストロンボリの隣のブルカノ火山であり、英語の火山(volcano)の語源にもなっている。

 プリニー式はさらに爆発的な噴火で、大規模な降下軽石(白っぽい)やスコリア(黒っぽい)、火山灰を放出する。西暦79年のイタリアのベスビオ火山の噴火が典型で、火口から13km離れていたポンペイの街を厚さ7mの軽石で埋めてしまった。この軽石は火砕流だった可能性もある。

c.ウルトラブルカノ式マグマ水蒸気爆発(水蒸気マグマ爆発)

 ウルトラブルカノ式噴火は高温のマグマは直接関与していない、マグマだまり中の水蒸気の圧力で爆発的な噴火をする。1888年の磐梯山の噴火が典型的である。水蒸気爆発ともいう。

 マグマ水蒸気爆発は浅海底に火口が開いた場合、高温の溶岩が海水に接することによって一度に大量の水蒸気が発生し、爆発的な噴火を起こす。アイスランドのスルツェイ火山が1963年〜67年の噴火が典型的であるので、スルツェイ式といういこともある。爆発的な噴火をしないというハワイの火山でも、火口が浅海底に開いた場合はこのタイプの噴火を起こすので危険である。もちろん、湖や地下水に高温の溶岩が接してもこのような噴火を起こす。

d.火砕流噴火

 火山は火口から大量の火砕流があふれ出てくるような噴火をすることある。有史以後このような噴火は起きていないが、大規模なカルデラはこのような噴火でできる。鹿児島湾の奥に存在していた姶良(あいら)火山は、約22000年前にこのような噴火を起こした。そのときの火砕流の堆積物が、現在のシラス台地である。この火砕流の体積は150km3(150億m3)と推定されている(1914年の桜島の噴火で流出した溶岩は1.5km3、火山灰などと合わせても2.0km3)。また、この噴火による火山灰は全国から見つかっている。この姶良火山のカルデラの縁にできた火山が現在の桜島であり、そのマグマだまりは昔の姶良火山の地下に相当するカルデラの中央(鹿児島湾の奥)にある。

 このような超大規模な噴火をモデルにした小説が「死都日本」である。筆者はこのような噴火を「破局的噴火」と呼んでいる。

  



姶良カルデラ(鹿児島湾の奥の円状の部分):宇宙開発研究機構
http://sharaku.eorc.jaxa.jp/ADEOS2/library/20030203/0203_j.html

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 4.火山噴出物

 噴火の際、気体(火山ガス)、液体(溶岩)、固体(火山砕屑物)が放出される。溶岩を流さない場合もある。

a.火山ガス

 火山ガスはまず採集が大変である。しかし、採集された火山ガスで調べてみると、少数の例外を除いて、主成分は水蒸気(H2O)である。ほかに二酸化炭素(CO2)、硫化水素(H2S、火山・温泉に特有な匂い)、二酸化イオウ(SO2)、塩化水素(HCl)、フッ化水素(HF)、水素(H2)、窒素(N2)、アルゴン(Ar)、メタン(CH4)、一酸化炭素(CO)などが含まれる。

b. 溶岩

 マグマが地表に吹き出たものが溶岩である。マグマは高い圧力がかかっている地下では火山ガスを溶かし込んでいるが、地表に吹き出ると火山ガスは抜けてしまう。また、溶岩という言葉は冷えて固まったものに対しても使うことがある。マグマが地表で急激に冷えてできた岩石(火成岩)を火山岩という。火成岩についてはこちらも参照

 溶岩の性質は火山の噴火の様子や火山の形と関係が深い。これらは、マグマの二酸化ケイ素(SiO2)含有量とも関係が深い。ただし、同じ火山でも噴火ごとに噴火の様子や、流す溶岩の性質が変わることがある。

 火口から噴き出てきたときの溶岩の温度は1000℃程度であるが、玄武岩質の溶岩の方が、デイサイト質・流紋岩質の溶岩よりも温度が高い傾向にある。流れやすい玄武岩質の溶岩が流れる速さは0km・h-1〜30km・h-1、あるいはそれ以上の場合もある。安山岩質の溶岩が流れる速さは0km・h-1〜数km・h-1以下、デイサイト質・流紋岩質溶岩の流れる速さはきわめて遅く、ほとんど流れない場合もある。水中に流れ出た溶岩は、枕を積み重ねたような枕状溶岩という特有な形になる。これらの溶岩については下も参照

 下の表はこれらをまとめたものである。この表はまた、火成岩の分類表とも関係が深い。

溶岩の粘りけ ←小さく流れやすい 大きく流れにくい→
溶岩の温度 ←高い(1200℃くらい) 低い(900℃くらい)→
噴火の様子 比較的穏やか 爆発的な噴火
火山の形 盾状火山 成層火山 溶岩円頂丘
冷えた溶岩の色 黒っぽい 白っぽい
火山岩の名 玄武岩質 安山岩質 デイサイト質、流紋岩質
SiO2含有量 ←少ない 多い→
代表的な火山 ハワイの火山          三原山 富士山 浅間山、桜島 昭和新山

c. 火山砕屑物(かざんさいせつぶつ)

c−1 大きさによる分類

 大きさ(直径)が64mmよりも大きいものを火山岩塊、64mm〜2mmのものを火山礫(れき)、2mmより小さいものを火山灰という。また、火山岩塊や火山礫が積もり固まってできた岩石を凝灰角れき岩(火山岩塊がもとになったものを火山角れき岩、火山れきがもとになったものをラビリストーンと分ける場合もある)、火山灰が積もり固まってできたものを凝灰岩という。詳しくはこちらを参照

c−2 特有な外形(構造)による分類

 まだ冷え固まっていないマグマが空中に噴き上げられ回転しながら固まると紡錘形をした形の火山弾となる。もう少し粘りけの強いマグマの場合は表面だけが急冷してパンの皮状の皮膜をもった火山弾になる。逆にマグマの粘性がもっと小さいと、噴き上げられたまだ固まっていない溶岩のしぶきが地面にたたきつけられて溶岩餅になる。噴き上げられた細かいしぶきが引き延ばされて繊維状になったものをペレーの毛、ガラス玉のようになったものをペレーの涙という。ちなみにペレーとはハワイの火山の女神の名である。

リボン状火山弾 紡錘状火山弾 パンの皮状火山弾
国立科学博物館の火山弾コレクション:http://research.kahaku.go.jp/department/geology/collection/kazandan.html
ペレーの毛(エチオピアのエルタ・アレ火山、2011年12月撮影) ペレーの涙(キラウエア火口のジャガー博物館、2001年撮影)

 空中に噴き上げられた溶岩からガスが抜けると多孔質の軽石(白っぽい)、あるいはスコリア(黒っぽい)になる。1707年の富士山宝永火口からの噴火の際は、最初は軽石を放出していたが、やがてスコリアになった。

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5. 噴火のエネルギー

 噴火のエネルギーとしては、地下深くからマグマを持ち上げるエネルギー(位置エネルギー)、噴出物を放出するエネルギー(運動エネルギー)、地殻変動を起こすエネルギー(ひずみエネルギー)、地震(火山性)や空振(空気の震え)を起こすエネルギー(振動エネルギー)なども考えられるが、一番大きいのは1000℃程度の温度のマグマが冷えるときに放出する熱エネルギーである。

 1950年〜1951年にかけての伊豆大島の噴火では、熱エネルギーが9×1016J(ジュール)、その他のエネルギーを合計しても熱エネルギーの10分の1にも満たない。このような中程度の規模の噴火でも、地震に対応させるとマグニチュード8程度に相当するエネルギーということになる。もっとも、地震ではこの程度のエネルギーがほぼ一瞬で放出されるが、火山の場合は数日〜数週間、場合によっては数年間活動が持続するので、単純な比較はできない。

 では、このような噴火を起こすエネルギー源はなんだろう。結局のところそれは、地球内部の放射性同位元素の崩壊熱だと考えられている。この熱が直接、あるいは一度はマントルの運動に姿を変えて、マグマが発生するのである。マグマの発生については別項参照

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用語と補足説明

活火山過去1万年間において噴火した証拠のある火山,、あるいは現在噴気活動が見られる火山のことを活火山という。この定義によると、日本には97+11(択捉島、国後島)の活火山があることになる。詳しくはこちらの資料を参照

 なお、現在ではかつて使われていた休火山という用語は使われていない。また、死火山という用語も使われない。つまり、マグマの活動でつくられた山すべてを火山といい、その中で現在、あるいは最近(過去1万年間)に活動したものを活火山という。噴火活動は数千年の間隔が開くことがあるので、人類が噴火を書き残していなかった火山でも、突然噴火を再開することがある。例えば、木曽の御嶽山の1979年の噴火は、有史以来初めての噴火だったといわれている。活火山とは噴火の可能性がある火山といいかえてもよい。

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コニーデかつて、ドイツのシュナイダーが提案したトロイデ(溶岩円頂丘に相当)、コニーデ(成層火山に相当)、アスピーテ(盾状火山に相当)などの言葉は、現在では使われていない。また、トロイデに相当する釣鐘状火山という言葉も使われていない。下の「火山学者にきいてみよう」を参照。

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プリニー式噴火このタイプの噴火には人名が付けられている。名のもとになったのはプリニウス(大プリニウス、西暦23年ころ〜79年)である。彼はイタリアの軍人であり、博物学者でもあった。西暦79年のベスビオ火山のとき、住民の救出活動中に殉職した。死因は火山ガスのためとも、疲労のためともいわれている。彼は救出活動中に見聞きした噴火の様子を、養子にした甥(小プリニウス)に手紙で知らせていた。小プリニウスはこれを含めて、大プリニウスの著作を刊行した。

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火砕流火山ガスや火山灰・火山れき・火山岩塊・火山弾などが混じったものが、一団となり山腹をかけ下る。噴煙が立ち上らずにそのまま斜面に沿って流れ落ちてくるようなイメージである。その速さは数10m・s-1以上、場合によっては100m・s-1以上になることもある。また、少しの高台でもでも乗り越える。火砕流に巻き込まれると、その衝撃を受け、また高温・有毒ガスにさらされることになるので大変に危険である。

 ふつうは小規模なものであるが、たまたま火砕流が流れた先に人がいるととても逃げられないので、惨事となる。1991年の雲仙普賢岳で発生した火砕流では43人の犠牲者を出した。また、1902年のカリブ海の西インド諸島マルチニーク島ののペレー火山で発生した火砕流はふもとのサン・ピエール市を遅い、28,000人の町が全滅した。ポンペイの町を埋めた西暦79年のイタリアのベスビオ火山の噴火で発生しものも火砕流(軽石流)と思われる。

 小規模なものを熱雲(1991年雲仙普賢岳程度のもの)といったり、大規模なものを軽石流といったりすることもある。また、ガス成分が多い場合をサージといったりする。火砕流本体の先端からサージがジェットのように噴き出すこともある。また、いったん堆積した高温の火砕流堆積物が小規模な爆発を起こし、サージが発生することもある。


1991年雲仙普賢岳の火砕流(国土交通省利根川水系砂防事務所)
http://www.ktr.mlit.go.jp/tonesui/work/sabo/kazan/index.htm

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パホイホイ溶岩とアア溶岩、塊状溶岩非常に流れやすい玄武岩質の溶岩をパホイホイ溶岩という。流れやすいために薄く広がり(0.3m〜数mの厚さ)、表面は平ら、あるいは縄状になる。もう少し温度が下がって流れにくくなった溶岩をアア溶岩(1〜十数mの厚さ)という。アア溶岩は冷え固まった表面が、まだ固まっていない内部が流れることによって破砕され、小さなとげが密集した粗い凹凸の表面になっている。さらに流れにくい溶岩の場合は、固まった厚い表面が、内部で流動する溶岩に引きずられてもっと大きな塊となる。これが塊状溶岩(10〜数十m以上の厚さ)である。これらの実際の写真は下のフィールド火山学のページを参照。

 なお、パホイホイとかアアという言葉はハワイ(ポリネシア)の言葉である。

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噴火の熱エネルギー噴火の際に持ち出される熱エネルギーは以下の式で計算される。

 溶岩によるエネルギー Ee=(Cp(T−Ta)+he)Me

 ここで、Cpは溶岩の比熱、Tは噴出時の溶岩の温度、Taは地表の温度、heは溶岩の潜熱(液体から固体と状態を変化させるときの凝固熱)、Meは溶岩の質量である。

 このほかにも、火山ガス(水蒸気)が持ち出すエネルギーもある。水蒸気は100℃以下では水になるとして、

 水蒸気によるエネルギー Ew=(Cw(T-100)+hw+C'w(100−Ta)Mw

 ここで、Cwは水蒸気の比熱、C'wは水の比熱、hwは水蒸気の潜熱(気体の水蒸気が水になるときに放出する凝結熱)、Mwは水蒸気の質量である。 

 一般に噴出時の溶岩や水蒸気の温度は1000℃程度である。また溶岩の比熱Cpは1.3×103J・kg-1・K-1程度、溶岩の潜熱は2.1×105J・kg-1程度である。また、水蒸気の比熱Cwは2.1×103J・kg-1K-1、水の比熱C'wは4.2××103J・kg-1・K-1、水蒸気の潜熱hwは2.3×106J・kg-1である。

  1951年〜52年の伊豆大島の噴火で流れ出した溶岩の体積は0.02km3(2×107km3)と推定されている。溶岩の密度は3.0×103kg・m3なので、この溶岩の質量は6×1010kgとなる。また溶岩の温度を1000℃、地表の温度を0℃として、上の式に代入すると

 Ee=(1.3×103J・kg-1・K-1×(10000-0)K+2.1×105J・kg-1)×6×1010kg = 9×1016J

 この噴火で放出された火山ガス(水蒸気)の質量は、溶岩の質量の1%と見積もられているので、6×108kgとなる。これを上の式に代入すると

 Ew=(2.1×103J・kg-1・K-1×(1000-100)K+2.3×106J・kg-1+4.2×103J・kg-1・K-1×(100-0)K)×6×108kg = 0.3×1016J

 溶岩が持ち出すエネルギーの方が圧倒的に大きいことがわかる。地震のエネルギーとの比較はこちらを参照

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この章の参考となるサイト

火山学者にきいてみよう(日本火山学会):http://hakone.eri.u-tokyo.ac.jp/kazan/Question/br/qa-frame.html

フィールド火山学(群馬大学早川由起夫氏):http://www.edu.gunma-u.ac.jp/~hayakawa/kazan/field/index.html 

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